2020.05.18
雑文 

妖怪アマビエ。

昨日お施主様からいただいた、ご自作のフェルト製「妖怪アマビエ」。私全く知らなかったのですが、どうやら広く病除けとして取り沙汰されているそうで、早速事務所兼お店の入口に鎮座していただきました。病と闘ってくれる強くおどろおどろしい妖怪ではなく、何とも可愛らしい妖怪を欲したところが、時代を経ても人の感覚は変わらないのだなと思います。トランプ大統領のようにウィルスとの「戦争」と捉える考え方からは決して生まれないキャラクターです。
今回の感染症のことを考える折々に、私は「流れるプール」のことを思い出します。私の通っていた小学校では、夏休みのプールの毎回最後は「流れるプール」と呼ばれるお楽しみの時間でした。皆でプール全体を大きな輪として、流れる水に乗ってぐるぐる回って遊びます。私はプールのどこかから水が噴き出して流れを作っているものと相当長いこと思い込んでいました。どうやって気づいたのか、はたまた誰かに聞いたのか思い出せないのですが、噴出口など無く、自分たちが作った水の流れに乗っかっているだけだったと知り大層驚いたのでした。
「世間」も「景気」も流れるプールみたいだと思うのです。規制をし解除をする側、それに従う側と分断して考える話ではなく、一人ひとりが何が適切かを考えて動くこと、その「適切」に絶対の基準はないと認めることが大事かと考えています。