東京・大田区、幅員４ｍと３ｍの私道に面する１４坪の角地。６坪のコンクリート半地下に９坪の木造二層を載せた、三人住まいの小さな住宅です。周囲は木造三階建て住宅が多く並び、中層マンションも混在する、典型的な区内の住宅地。三方向からの斜線制限の中でボリュームを確保すると共に、構造の木組みを現したいことから三階建てではなく地下プラス二階の三層としています。

平面に広がりがない分、垂直方向の構成を意識して窮屈に感じないよう計画しました。建築面積に比するとずいぶん大きな階段をつくり、地下からロフトまで同じ寸法で繋げて昇降の負担を少なくしています。鉄骨の階段とスノコの踊り場は光を落とし、視線の抜けをつくります。部屋の一部でもある階段は、物を置いたり吊るしたり、腰かけて本を読んだり歯を磨いたりと元々想定していなかった使い方をしています。

設計にあたり、間違いなく必要なもの以外は作らないと決めました。例えばトイレと子供室しか戸がなく、家のどこにもクローゼットがありません。何か不便を感じたら、まずは既製品を組合せ、なければ自分で作り、自分で無理なら職人を頼る。そんな風に少しずつ馴染ませるようにして暮らしたいと考えました。(認定低炭素住宅)

本件は設計監理だけでなく、施工を自ら行い、現場監督として職人さんと直に作っています。

構造設計/長谷川総合企画　大工/根岸渉　コンクリート躯体/楠土建　躯体防水/タケイ工業　地盤補強/アキュテック　構造材/岡田木材　板金/塙板金工業　建材/岡部材木店　鋼製建具/新栄ドアフロント　木製建具/高橋木工所　タイル/工藤タイル店　塗装/黒田塗装工芸　鉄骨/石田鉄工所　左官/蔦左官　防水/相原防水　電気/望月電機　給排水衛生/アクアプロテック　ガス/ライフバル　キッチン/plots