神奈川県横浜市栄区。ベランダから富士山を望む高台にある、築40数年の大規模集合住宅の一室の改装です。施主は私の小学校以来の友人で、夫婦+子供2人の4人住まいです。

まずは基本的な機能を向上させること。外気に接する部分に新たな壁を作り断熱材を充填。古くなった上下水道配管の更新。当階の床がそのまま下階の天井となっていたところを遮音置床プラス吸音材施工。時間の経過により現在の基準に合わなくなっていた部分を補完する工事を行いました。

使えるものは使い、自分たちで出来ることは全てやる、という方針で、完全に壊して作り変える箇所と、一部更新で済ます箇所を柔軟に決めながら進めました。壁式コンクリート構造だったこともあり間取りに大幅な変更は無いものの、建具で仕切ることをやめ、キッチンを対面式にして、玄関からリビングまで繋げています。既存の収納はそのまま生かしても、扉を更新するだけでだいぶ雰囲気が変わります。

施主と、私を含む施主の友人たちで撤去工事・荷揚げ・塗装工事の全てを行い、木工事や電気工事も職人でなくても施工できる内容は行いました。壁・天井はもともと量産クロス貼りでしたが、クロスを剥がして裏紙が残ったままの石膏ボードを塗装、モルタル部分は裏紙まで完全に剥がしてワックス仕上げ、など職人には相当依頼しにくい仕上げ方法を選択しています。当然素人の荒さは垣間見えるものの、熟練の職人が作った無垢クリ材と大判タイルの床が全体の印象を引き締めてくれるので、良いバランスで出来上がっています。

本件は設計監理だけでなく、施工を自ら行い、現場監督兼作業員として職人さん・施主・友人と直に作っています。

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