鉄筋工事。
鉄筋コンクリート造はRC造と表記されることが多いです。RCはReinforced(補強された) Concreteの頭文字です。補強しているのが鉄筋。コンクリートは押される力には強いけれど引っ張られる方向の力には弱い。そのコンクリートの中に、押されると曲がってしまうけれど引っ張りには耐える鉄筋を入れて補強します。また、鉄は酸性化つまり錆びて劣化しやすい。それをアルカリ性のコンクリートが保護します。互いに補完し合い型枠によって自由な形を作ることができる工法です。つるっとした棒ではなく、コンクリートに食い込むようにリブがついた異形鉄筋という素材を使います。今回は小規模なので直径10mm、13mm、16mmの鉄筋を組み合せて作ります。
初日は底盤と壁の鉄筋が搬入されます。まとまっていると意外と少なく見えますが、わずか6坪の半地下に全部で約5tの鉄が使われます。
床も壁も二重に組んでいきます。斜めの材は給排水の管を通すための孔を補強するもの。今回、外はコンクリート打ちっぱなしですが、中はコンクリートの内側に壁を設けるため、コンクリートに埋め込む設備が一つもありません。コンセント、照明、換気などの設備がからむともう少し複雑になります。
梁の組み立てができ、だいぶ家の形が見えてきました。一階床の鉄筋は、型枠を組んだ上に組んでいくので後日です。壁の鉄筋を床方向に折り曲げておき、後で組む床の鉄筋を壁に下ろして互いに結束します。
折曲げ加工、切断はほとんど工場で完了しているので、現場ではそれらを細い針金で結束していくのが主な作業です。ハッカーという専用の道具を使って、静かに凄い速さで組み立てられていきます。
地下から9段上がって玄関の高さになる部分。階段は後で大工さんに木造で作ってもらいます。
寸法入りのアイソメ図。理屈としては、建物をヨコに切った平面図とタテに切った断面図通りに作れば間違いはないはずですが、分かりにくいところは立体図で職人さんに伝えます。設計をする自分としても平面と断面が整合しているかのチェックになります。鉄筋が組み終わると底盤にコンクリートを流し、その上に再び墨出しをして、型枠工事へと進んでいきます。工事が進むにつれて求められる精度が上がっていきます。