型枠工事。
型枠工事に入りました。できるだけ現場での作業を減らすよう、前もって型枠大工さんが工場で加工したパネルを組み立てていきます。パネルは、パネコートというウレタンコーティングされた合板を桟木と呼ばれる48×24mm程度の荒い木材に打ち付けてできています。工場といってもパソコンで入力して自動で出来上がるようなものではなく、大工さんが自ら手描きした図面を元に一枚一枚加工したものです。我々設計者は最終的な見えがかりを示すだけですが、それをどう作るかを考え、実際に自分で作る大工さんの技術のおかげで形になります。
材料搬入。右に停まっているのはお隣工事のコンクリートミキサー車。お隣の工事は今日外構コンクリート打設で完成間近。お引越し直後から隣が工事中ということになってしまい、申し訳ない気持ちです。できるだけご迷惑おかけしないように進めます。
組み始め。まずは外壁の内側から立てていきます。この部分は後で木造で壁を作り断熱材を入れるので、コンクリートは見えてきません。なのでパネコートは新品ではなく再利用です。5回くらい使えるのだそう。
玄関、階段のスキップフロア部分。玄関から4段上がって1階、9段下がって地階になります。型枠は、桟木同士を釘で繋いだだけでは当然ぐらぐらです。タテに鉄パイプを通し垂直方向を確保、ヨコに鉄パイプを2本通し水平方向を確保します。反対側も同じ構成になっており、両側の2本の鉄パイプをホームタイという金物で押さえます。その際、コンクリートの厚みを一定に保つのが白い丸いセパレーターという部品。これを取り外した跡が打ちっぱなしコンクリートの一般的なイメージである等間隔の丸い穴になります。外した段階ではネジが飛び出した状態ですが、これをセパコテという専用の左官用具を使って埋めて仕上げます。
床は支保工という鉄パイプで支えられています。外壁は20cm、床は18cmのコンクリートの板が出来上がります。壁構造という造りで、主に壁で強度を確保する方法です。
型枠大工さんの仕事はその名の通り型を作る仕事なので、仕上げはコンクリートを流し込むまで分かりません。体と頭をフルに使い、壁も床もないのだから吹きさらしの外での過酷な仕事です。特に今一番寒い季節。頭が下がります。